今日は、スパイラルルータービットの回転スタイル(アップカット、ダウンカット、コンプレッション)について詳しく見ていきます。どのスタイルを使うべきかを理解することで、プロジェクトの質が大きく変わります。
ダウンカットビット:完璧な表面を実現

- ダウンカットビットは、貫通していないポケットなど、表面のきれいさが重要なプロジェクトに最適です。表面から下に向かって切断するため、アップカットビットとは異なり、ほつれや欠けを最小限に抑え、滑らかな上面を実現します。
- しかし、ダウンカットビットは、底刃が粗くなる傾向があるため、貫通切削には適していません。切粉は下方に押し出され、切削面に押し固められるため、深い切削では問題となる可能性があります。この押し固めにより、ビットは同じ切粉を再度切削することになり、過剰な熱が発生し、摩耗が促進されます。
アップカットビット:チップ排出を最大化

- アップカットビットは、下面をきれいに仕上げたい場合や、深い切り込みから効率的にチップを排出したい場合に最適です。木材の繊維を上方に引き上げ、チップを最大限に排出する設計です。そのため、上面のエッジが多少ほつれることがありますが、軽くサンディングすればすぐに直ります。
- 効率的な切削片除去により、送り速度が速くなり、熱の蓄積が抑えられ、ビットの寿命が延びます。さらに、ダウンカットビットによる上刃と同様に、下刃もきれいな仕上がりになります。
圧縮ビット:両方の長所を活かす

- 圧縮ルータービットは、アップカットとダウンカットの研削を組み合わせ、切断面の上部と下部の両方にきれいな仕上がりを実現します。シングルパスカットに最適ですが、慎重な取り扱いが必要です。
- 希望の仕上がりを得るには、ビットのアップカット部分より下から切削を開始してください。ランピングインやリードインなどのテクニックは、ビットの寿命を延ばし、全体的にきれいな仕上がりを実現します。
- コンプレッションルータービットは汎用性が高いものの、必ずしも万能なソリューションではありません。アップカットビットの優れた切削片排出性が求められる浅いポケットや非常に深い切削には適さない場合があります。また、小型のCNC工作機械では、コンプレッションルータービットを効果的に使用するために必要な深さまで切削するのが難しい場合があります。
Jonathan Katz-Moses による、これを詳しく説明した別のビデオ:
アップカットとダウンカットの違いを見分ける方法
ビットがダウンカットかアップカットか分からなくなった場合は、次の手順を実行してください。
- 刃先を下に向けて、ビットのシャンク部分を持ちます。
- ルーターの回転と同じように、ビットを時計回りに回転させます。
- 溝が下向きに螺旋状に伸びているように見える場合はダウンカットビット、上向きに螺旋状に伸びているように見える場合はアップカットビットです。
クイックリスト:どのスパイラルビットを使用するか
以下に、どの状況でどのビットを使用するかを判断するのに役立つ大まかなリストを示します。
ダウンカットルータービット
- きれいな上面カット: 上面のエッジに破片が残らないことが不可欠な合板やベニヤなどの材料の切断に最適です。
- 浅い溝と彫刻: 最上層を欠けたり破いたりすることなく、正確な表面の詳細を作成するのに最適です。
- ラミネートおよびベニヤ: カット ラミネート面の作業に最適で、滑らかな仕上がりを実現し、剥離を防止します。
アップカットルータービット
- 効率的なチップ除去: チップを上方に引っ張り、ワークピースから遠ざけるため、深い切り込みや高密度材料を扱う場合に最適です。
- きれいな底端: 素材の裏側を滑らかで破れのない仕上がりにするのに最適です。
- 広葉樹とプラスチックの切断: 過熱や詰まりを防ぐために強力なチップ排出を必要とする材料に最適です。
圧縮ルータービット
- 切り離し不要のカット: アップカットとダウンカットのフルートを組み合わせて上面と下面の両方にきれいなエッジを生成するため、合板やラミネートに最適です。
- フルデプス溝入れ: 両側のエッジ品質の維持が重要な、深いカットを必要とするプロジェクトに最適です。
- パネルおよびキャビネット作業: MDF やパーティクルボードなどのシート材の切断に最適で、滑らかな仕上がりと正確な結果が得られます。